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今年のインフルエンザは

日本ではインフルエンザ感染については定点観測というのを毎年おこなっていて、県のホームページでデータを見ることができます。

昨年秋のシーズンからは発熱外来では発熱患者さんに対して新型コロナウイルス感染症とインフルエンザ感染症の検査を一緒にやるケースが多いようです。

長野県のデータを見ると、2020年の第3週目までの統計で昨シーズンは13189人の報告が有りましたが、今シーズンは2021年1月24日までの合計でたったの7人しか報告が有りません。

全国的にも激減しています。

この要因については様々なご意見が有りますが、①マスク、手洗い、三密回避など感染予防対策を皆がやっている、②「ウィルス干渉」ウィルスの中での生存競争にインフルエンザウィルスが負けた、③インフルエンザワクチンの接種が増えた、④そもそも医療従事者の感染予防対策のため、インフルエンザの検査数が少ない、などが上げられています。

どれも間違ってはいないと思いますが、皆さんの感染対策が功を奏している部分が大きいのではないかと私は思います。

インフルエンザの予防接種ですが、メーカーの添付文書上では、「ワクチンを3週間隔で2回接種した場合、接種一か月後には77%の人が有効予防水準に達し、3ヶ月で有効予防水準が78.8%あるが、5ヶ月では50.8%に減少する。効果の持続はウィルスの型が一致した時には3ヶ月続くことが明らかになっている。有効予防水準は3ヶ月を過ぎても維持されている場合もある。」と記載されています。

成人は基礎免疫が有ると考えられていて、1回接種で有効だと言われていますが、1回接種データは記載が有りません。

以上を踏まえると、昨年10月にインフルエンザの予防接種を受けられた方はそろそろ効果が低下し始める可能性が出てきます。更なる感染予防をしていくことが必要だと思います。

皆さん、コロナだけではなく、インフルエンザも予防するために、大分飽きてきているかもしれませんが、マスク、手洗い、三密の回避を続けましょう。